最近、ChatGPTが何かと話題です。文部科学省は教育現場での取り扱いを示す資料を作成するとし、東大や京大はじめ多くの大学でレポートでの使用を認めないなど利用の基準を示したり、注意喚起を行う事態となっています。当然ビジネスの現場でも利用は広がることが予想されますが、まだ開発途中の技術で問題も多いようです。開発元のオープンAI社は、ChatGPTの欠陥や不具合を発見した利用者に対し、最大2万ドル(約270万円)の報奨金を支払うと発表しました。改善のスピードを上げる狙いがあるからでしょう。ChatGPTに自身のことを訪ねてみるとそこで、試しにChatGPTに「企業がChatGPTをビジネスで利用するメリットとリスクについて教えてください」と質問してみました。以下がChatGPTからの回答です。ChatGPTは、企業が自動化されたカスタマーサポート、チャットボット、自動応答システムなどのさまざまなビジネス用途に利用できる大型の自然言語処理モデルです。ChatGPTをビジネスで利用するメリットとリスクについて、以下に詳しく説明します。メリット:1.24時間365日のサポート: ChatGPTは、24時間365日、常にオンラインで利用可能なため、企業が顧客の問い合わせに迅速かつ正確に対応できます。これにより、企業は顧客満足度を向上させ、顧客ロイヤルティを高めることができます。2.コスト削減: ChatGPTを利用することで、企業は人件費を削減できます。ChatGPTは自動化されたシステムであるため、従業員が個々の問い合わせに対応する必要がなくなります。これにより、企業はコストを削減し、生産性を向上させることができます。3.スケーラビリティ: ChatGPTは、膨大な数の問い合わせに対応できるため、企業が拡大するにつれてもシステムのスケーラビリティを維持できます。ChatGPTは、従業員の増員や新しいオフィスの開設など、他のビジネス拡大に必要なものとは異なります。4.高度なカスタマイズ: ChatGPTは、企業が自社のブランドに合わせたカスタマイズを行うことができます。例えば、会社のスタイルに合わせて、特定の言葉を使うように指示できます。また、ChatGPTを学習するための企業独自のデータを提供することで、より高度なカスタマイズが可能になります。5.データ分析: ChatGPTは、顧客とのやり取りを記録することができます。これにより、企業は顧客の嗜好や行動パターンを把握し、より効果的なマーケティング戦略を策定することができます。リスク:一方、ChatGPTをビジネスで利用するリスクには、以下のようなものがあります。1.不適切な応答: ChatGPTは人工知能に基づいているため、時には適切な応答を行わない場合があります。特に、特定の業界やトピックに関する知識が必要な場合には、応答が不十分であることがあります。2.セキュリティ: ChatGPTは、オンラインで接続されているため、悪意のあるハッカーによって攻撃される可能性があります。企業は、セキュリティ対策を実施することが重要です。3.誤解を招く: ChatGPTは、自然言語処理に基づいているため、言葉の解釈に誤解を招くことがあります。特に、言葉の使い方や文化的背景が異なる場合には、誤解が生じることがあります。4.エラーの可能性: ChatGPTは、自然言語処理を利用しているため、一部の場合、誤った回答を返すことがあります。これは、ChatGPTが学習したデータに基づいて回答を返すためであり、完全に正確であるとは限りません。したがって、企業は、ChatGPTが返す回答に対して監視し、必要に応じて修正する必要があります。5.人材削減のリスク: ChatGPTが自動応答を行うことで、人材の需要が減少する可能性があります。このような場合、企業は人員削減を余儀なくされる可能性があります。6.倫理的問題: ChatGPTが人工知能に基づいているため、倫理的な問題が生じることがあります。たとえば、ChatGPTが偏った意見を表明する場合があります。企業は、このような問題を回避するために、ChatGPTの設定や使用方法について十分に検討する必要があります。以上のようなリスクを把握し、適切に対処することが重要です。企業は、ChatGPTの利用にあたって、リスク評価やセキュリティ対策、教育やトレーニングなど、さまざまな対策を講じる必要があります。以上が、ChatGPTからの回答です。ただし、これは1回で得られたものではありません。文字数制限で回答が途中で途切れたりもします。同じ質問を繰り返し(その度に微妙に回答は変化します)、何度かに分けて得られた回答を整理したものが上記です。リスクについても十分に自己分析したうえで回答してくれたようです。元々英語の環境下で開発され、ChatGPTが学習したデータに基づいて回答を返すので、日本語のデータ学習は遅れている可能性があります。今回は、ChatGPTに自身を語ってもらう質問だったのでそれほど違和感ない回答を得られましたが、ニッチな分野や最近の話題については誤った解答も多いようです。また、ChatGPTと同様な生成AIで、Googleが試験運用中のbardも日本語対応が発表されました。これから同様の生成AIは色々出てくることは間違いないでしょうが、ChatGPTと同様のリスクがあると考えるべきでしょう。ChatGPTや同様の生成AIの利用に当たっては、当面は参考程度に留めておくかデータ収集のためのテスト利用と位置づけておいた方が良さそうです。そして私たちの世代がAIの進化の先に思い出すのは、1968年の映画「2001年宇宙の旅」のHAL9000の暴走。シンギュラリティについて今ほど具体的に議論される以前に、スタンリー・キューブリック監督とアーサー・C・クラークは、そのリスクについて示唆していました。そんなことが起きないAIの進化を望んでやみません。